労働保険料の会計処理

会社は従業員を雇用すると労災保険に必ず加入しなければいけません。保険料は会社からすると前払いとなり、しかも概算での支払になりますので会計処理も気を付けないといけません。

労働保険とは

労働保険は大きく言うと社会保険に含まれ、会社が従業員を雇用すると加入するケースが一般的です。労働保険は従業員が会社を辞め就職活動の時に受けることが出来る失業保険、会社等が申請して受給できる助成金の原資となる『労働保険』と従業員が就業時間中に怪我をした時の治療費となる『労災保険』のことを言います。保険料は4月から翌年3月までの一年分を7月に納付します。労働保険は従業員の雇用契約内容によって加入しないこともありますが、労災保険は雇用があれば強制加入の為ほとんどの会社および個人事業主が加入しています。

労働保険の計算

労働保険は4月から翌年3月までの従業員の給与および賞与の見込みに料率を掛けて計算します。しかし従業員の入退社や給与、賞与の増減などで一年後に確定する給与、賞与の金額は概算保険料を計算した給与、賞与とは差額が生じます。その為前年納付した概算の保険料を確定させて、前年納付した保険料よりも多くなれば納付、少なければ今年の概算保険料から差し引きます。毎年7月10日までに申請および納付をします。

今年納付保険料=前年確定保険料-前年概算保険料+今年概算保険料

労働保険料の会計処理

会社は法人税上、確定した経費しか損金にできません。会社から経費として支出していてもその期間が事業期間外ですと法人税を計算する時に損金にはできません。
例)12月31日が決算日の会社の場合、1月1日から12月31日までに確定した経費しか損金とならないのです。よって7月10日に納付する労働保険料は概算の保険料の為経費にはならないのです。決算の時に7月10日に確定する前年保険料を経費とする処理を行います。

前年概算保険料 500,000円 前年確定保険料550,000円 今年概算保険料 600,000円(月額50,000円)

・前年概算保険料納付時
【借方】仮払金  500,000 / 【貸方】現金  500,000

・前年保険料確定時
【借方】仮払金  650,000 / 【貸方】現金  650,000

・毎月末概算保険料計上
【借方】法定福利費 50,000 / 【貸方】未払費用 50,000

・決算時
【借方】未払費用  350,000 / 【貸方】法定福利費 350,000 概算保険料戻し
【借方】法定福利費 550,000 / 【貸方】仮払金  1,150,000 前年確定保険料
    仮払金   600,000 /                今年概算保険料

毎月末に法定福利費50,000円を計上するのは減価償却費の概算計上と同じ考え方になります。

まとめ

会社は支払った経費が全て法人税を計算する時に利益から控除されると考えてしまいます。決算書で経費にする分には一向に構いませんが、法人税を計算することにおいては控除されないことを理解しておく必要があります。
また支払った時に経費計上するのでなく、期間按分をした会計処理を常に考えておくことも経理担当者として必要になります。 

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森圭一

㈱MILLSで経理を担当しています。簿記2級があるという軽い気持ちで住宅営業から会計事務所へ転職して13年。先輩の紹介でMILLSに入社することができました。部門的に専門的な財務会計も必要ですが、それ以上に管理資料の作成が主な仕事になっています。アナログ人間の自分には、資料作りが非常に苦痛ですが、日頃から人に親切にしておくことで日々助けてもらっています。
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